スポーツ障害 ケガ
Episode2:ランニングでの膝の痛み
20代男性
右膝痛
最近、ランニングを始めたが5キロくらい走ると右膝に痛みが出る。
日常生活は痛み無く過ごせるが、ランニングで距離を重ねると痛みが出現する。
以前はこの様な痛みは無かった様子です。
ご本人の希望もあり、トレッドミルで走行動画を撮影してみました。
本日はシューズも持っていませんので、低速で走ってもらいました。これ位のスピード
距離では痛みはありません。
ご覧になっていかがでしょうか?
痛みがあるのは右膝です。
若干、斜め右側から撮影していますがお許しください。
左脚(痛くない脚)
初期接地から荷重応答期の静止画です。
進行方向に対してつま先がまっすぐに向いています。
右脚(痛みがある脚)
初期接地から荷重応答期の静止画です。
進行方向に対してつま先の向きがズレてしまっています。
簡単に膝の動きを考えますますと、膝は曲げる、伸ばす動きには強いですが、捻りにもの凄く弱いです。
走っていく方向とつま先の向いている方向にズレがあれば、足首、膝、股関節には絶えず捻る動きが働きます。
捻る動きに柔軟な足首、股関節は捻りの力に対応できますが、膝は壊れます。
左の静止画は左右 初期接地から荷重応答期です。
だいぶ違いますね...。
この状態でスピードが上がり、距離が伸びたら右膝に負担はよりかかると予想できます。
あともう一つ、つま先の向きだけでなく、もう少し上を見て下さい。腰から上です。
右と左が違うのがわかりましたか?
右脚の荷重応答期(足に体重がかかったとき)に腰が左に沈みます。
上の左右を比べた静止画を見れば一目瞭然!
問題はつま先の向きだけではなく、右脚全体、股関節、体幹にもありそうです。
これらの事を意識しながらもう一度、一番上の動画を見て下さい。
右脚の動き、体の使い方、右と左の動きがバラバラに見えませんか??
走って痛みがある場合は、実際に走ってどうなっているのかを見るのが一番わかりやすいです。「百聞は一見に如かず」とは正にこの事だと思います。
患者さん自身も「何で右膝だけ痛いのか?」「何で5キロ走るといたいのか?」なんて事も納得し、理解をして頂けました。
年齢的にも若いのですぐに痛みは無くなりました。
また、痛みが出ない様にトレーニングとフォームチェックをして頂いています。
ランニングで関節に痛みがある方、ウォーキングで痛みがある方は多いと思います。
当院では動画を使ってわかりやすく説明できるよう心がけています。
「レントゲンで異常がないと言われたが、痛みが取れない。」
「マッサージをしたけれど痛みが取れない。」
そんな悩みがある方はお気軽に相談ください。